03«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»05

読んだらけ

漫画に小説、読んだものの感想を書いていきます

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

cm --   tb --   page top

エドガー・A・ポー「モルグ街の殺人」感想 



史上初の推理小説として知られる「モルグ街の殺人」。
始祖にしてミステリー小説のお約束を決定づけた怪作。
魅力的な探偵、平凡な助手、論理による推理、意外な犯人、意外なトリック…。
また、密室殺人もこの作品から登場している。


まずは簡単なあらすじを
語り手である「わたし」は、「C・オーギュスト・デュパン」という人物と知り会う。
デュパンは膨大な読書量と知識や推理力を持っており、デュパンに見惚れたわたしはすぐに意気投合する。
二人が同居を始めて日が経った頃、「モルグ街の殺人」という記事が目に留まる。
モルグ街にある屋敷に住む母娘が惨殺されたのだ。
非情で残虐な手口であり、新聞には多くの証言が集まっていた。
警察に友人を持つデュパンは、実際にモルグ街を訪れ独自の手法で捜査を始める。



まさに今のミステリー小説と変わらぬ出だし。
この手法がいかに素晴らしく、魅力的であるかがよく分かる。

前述の通り、天才的な探偵、平凡な助手が語り手、密室殺人など、基本的なことは全てこの作品で体系付けられている。
さらには探偵が警察を小馬鹿にすることまでこの作品が作り出したお約束だ。
凄惨な事件で物語が幕を開けるというのはどうしてこうもワクワクしてくるのだろうか。
これぞミステリーの醍醐味と言わざるを得ない。


そして最後に探偵が論理的な推理を展開する。
これもお約束だ。

肝心の真相は…


驚きである。
ミステリーの起源にしてなんととんでもないオチを持ってきたのだろう。
短編小説だからいいものの、長編小説でこれをやられたら堪らない。
なぜなら物語の記述にアンフェアな部分があるからだ。
「本格ミステリ」とは到底言うことは出来ない。
これを完全に推理出来た人はこの長い歴史、誰もいないと思われる。


少々アンフェアなトリックだったけれども、ミステリの父と呼べる作品を読むことができて本当に満足だ。
この作品はある程度ミステリの知識がなければ楽しめないと思う。
ところどころにあるお約束を見つけてニヤニヤするのが大半だろう。
私のようにミステリ歴一年ほどで読むのが一番良いと思う。
何年も経つと「今更…」と逆に読む気が削がれてしまうだろう。

シャーロック・ホームズがこの形式を乗っ取り、以後、世界に定着させた。
ミステリ小説というものは、ポーが作り、ドイルが広め、クリスティ、カー、クイーンが決定付けたともいえるだろう。
全くのミステリ初心者にはお勧めできないが、ある程度馴れた人には是非とも読んでいただきたい作品だ。




ここからはネタバレ記事
注意願います


まさかね
人間が犯人では無いとは思わなかった。
「オランウータンが犯人」なんて言ったら笑われてしまうレベル。
推理しようにも推理できない状態。
せめて容疑者リストに入れてほしかった。

さらに「密室」の描写が分かりづらい。
これは訳者のせいかもしれないが、状況を少し把握しづらかった。
それでもデュパンの見事な推理で破れたので満足である。


自分で推理することは不可能だが「ミステリ」という雰囲気を楽しむ作品。
純粋な「ミステリ」として楽しむ作品ではないだろう。
それでも、一ミステリファンとして一読すべき作品だ。



モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編 (新潮文庫)
スポンサーサイト

category: ミステリー(洋)感想

thread: 読書感想文 - janre: 小説・文学

cm 0   tb 1   page top

エラリー・クイーン「Yの悲劇」感想 



先日、「Xの悲劇」を読了したため購入してきた。
今更あの「Yの悲劇」を読むのかとあきれる方もいるかもしれないが、大目に見ていただきたい。

あらゆるミステリランキングで必ずといっていいほど上位に食い込む本作。
「Xの悲劇」を充分に堪能できた私はかなりの期待を持ってこの本を読み始めた。


まぁ、まずは簡単なあらすじを紹介
「きちがいハッター家」の当主の死体が見つかった
死因は毒物による自殺で、不審な点は見られなかった
しかし、数か月たったある日のこと、この異常な一族達に毒殺未遂事件が発生する
調査に乗りだすレーン達
レーンによると、ありえない人物が犯人らしいのだが…
張り巡らされた伏線と、圧倒的な論理展開により魅了する、古典の名作



「Xの悲劇」に続き、名探偵ドルリー・レーンが活躍する。
せっかく名探偵が活躍してくれているのだが、私は一切手がかりが見えてこなかった。
それほど複雑で一見「ありえない」事件なのだ。
真実がぼかされており、犯人、トリックも推理できない。

「きちがいハッター家」という言葉には全くの偽りは無い。
本当におかしな登場人物ばかりなのだ。
しかし、せっかくキャラクターは立っているのだが、あまり出番が無い。
レーン達の捜査に重点が置かれており、キャラクターの掘り下げが無いためあまり感情移入が出来ない。
これがこの作品のウィークポイントだと思う。
せっかくの魅力的なキャラたちを充分に活かされていない気がした。


また、捜査に重点は置かれているのだがほとんど進展が無く、レーン以外の人にとっては「手がかり無し」のため、少しマンネリ化してしまう。
ところどころで小さい事件は起きるのだが、謎が増えるばかりで解決も出来ないのでダレてしまう。
これは私の推理力が無い為ということもあるだろう。
私にとってはどう考えても「犯行不能」と思考停止してしまったので、まともに物語を楽しむことが出来なかった。
まぁ、この本を読んでいる時期、仕事が忙しくなり途切れ途切れでしか読めなかったというのもあると思うが。


謎が謎のまま物語は進行していき、突然幕を閉じる。
あまりのあっけなさに私は唖然としてしまった。

そして語られる真相。

脱帽

の一言だ。


私も分からないなりにいろいろと推理してみたのだが、そんなことは考えもしなかった。
犯人追及のプロセスも論理的で合理的。
少し考えれば簡単に思いつく犯人像。
それを気付かせもしなかったクイーンの文章力に完敗だ。

この作品が名作と呼ばれる所以が良くわかった。
確かにこれは語り継がれるべき作品だ。

だが、個人的には「Xの悲劇」の方が面白かったように思う。
結論の意外性は別にして、物語全体を包み込む謎の雰囲気。
真相が分かった時の頭のスッキリ感はこちらの方が上だろう。

それでも、この作品が面白いことには変わりは無い。
次は「Zの悲劇」を喜んで読むことにしよう。

category: ミステリー(洋)感想

thread: 読書感想文 - janre: 小説・文学

cm 0   tb 1   page top

エラリー・クイーン「Xの悲劇」感想 




エラリークイーンの傑作、Xの悲劇。
ドルリー・レーンシリーズの先鋒を務める。

まずは簡単なあらすじ
密室状態に近い電車の中で殺人が起きた
怪事件に頭を抱える警察は元名俳優、ドルリー・レーンに助言を求める
氏によると犯人の目星は付いているようだが…
さらに続く殺人により、事件は次第に異様さを増していく
ドルリー・レーンの出す答えとは?


私はこれがクイーンデビュー作だ。
まだミステリー歴が一年と少しなので大目に見ていただきたい。

まず、個性的なドルリー・レーンという人物が光っている。
魅力的な探偵が傑作ミステリの必需品だ。
これは充分に満たしているだろう。

事件の模様は複雑怪奇。
一見、簡単そうに見えても深く考えると全く底が見えない。
しかし、ミステリの王道を歩んでいる作品ともいえる。
魅力的な探偵、不可思議な事件、見えてくる一つのトリック…。
事実、私には珍しく犯人を当てることが出来た。
伏線は多く散らばっており、回収して当てはめていく時の快感は堪らない。

「犯人を当てることができたから駄作」
などということは絶対にない。
読者を飽きさせずに話に引き込む力は強固。
犯人を確信している私でも、真実が明かされる場面は胸が高鳴ったものだ。

ミステリのお手本ともいえる作品。
これからミステリの世界に入りたいという人にもおススメだろう。
続編「Yの悲劇」も非常に楽しみだ。


category: ミステリー(洋)感想

thread: 読書感想文 - janre: 小説・文学

cm 0   tb 1   page top

アガサ・クリスティー「葬儀を終えて」感想 



クリスティー後期の作品の中でも一段と評価の高い「葬儀を終えて」
ポアロものの中で一番の傑作と推すファンも多い。

まずは簡単なあらすじを
「リチャードは殺されたんじゃなかったの?」
葬儀を終えたあと、遺言公開の席で妹が口にしたこの言葉。
その一言がきっかけで、家族の間に不穏な空気が流れ始める。
そしてその翌日、その妹は死体となって発見された。
この事件はどうやって繋がっていくのか?ポアロが導き出す答えとは。



遺言状の公開の時ほどミステリファンを興奮させるものは無いだろう。
実際は殺されたのではないか?
ここからどのような殺人が起きるのか?
と、うきうきして読んでいくに違いない。
この作品もその例に漏れず、私たちを楽しませてくれる。

「葬儀を終えて」は、登場人物の相関が複雑。
誰が誰の娘で誰の親だったのか、少し覚えるのに戸惑ってしまうかもしれない。
実際、私も登場人物紹介と家系図を何度も読み直した。
しかし、そこをうまく描き分けるのがクリスティー。
多くの登場人物を個性的に、特徴のある人に書きあげてくれている。


肝心の我らが探偵、ポアロはあまり出番が無い。
あくまでこの一族の物語で、ポアロは脇役にすぎない。
ポアロの活躍を期待する方には物足りなく感じてしまうかも。
際立った捜査はせず、事実と会話をもとに犯人を突き止める。
さながら安楽椅子探偵のようだった。


しかし、その分新しい謎が次から次へと出てくるわけでなく、あくまで一本道。
延々と続く会話シーンや日常描写に飽きてしまう人もいるだろう。
魅力的なキャラクターがそれを補ってくれるのだが、常に単調なこの作品は刺激を求める人には合わないと言っておこう。


肝心のトリックはお見事。
またもやアガサ女史のミス・ディレクションに引っかかってしまった。
まともな推理もできなかったなぁ…反省。

うーん、また騙された。
このブログでは過去に二回クリスティの作品の感想を書いているのだが、同じことしか言えない。「やられた」と。
しっかりと伏線を張られているのだが、全く気付きもしなかった。
この作品の犯人を当てられる人はそうそういないだろう。
それほど難解な事件だ。
われこそはという人は挑んでいただきたい。


ここからはネタバレ感想です
注意願います


最初の殺人…は行われていなかった。
まさか本当にただの病死だったとは思わなかった。
ある意味ミステリーの掟を破っているともいえる。
リチャードの死とコーラの死は関連あるものだと思っていた。
完全なミス・ディレクションである。

しかも葬儀の後のコーラは変装した犯人だったとかね。
わかるわけないよ。
まだ事件が起きる前なんだし夢にも思っていない。
と、言い訳はよそう。


前述の通り私は全く推理をさせてもらえなかった。
何がヒントすらも分からなかったありさまだ。
登場人物と共にポアロの話に耳を傾ける傍観者と化していた。

こんなトリックを考えた犯人に拍手。
こんなの思い付いても実際に行動に移そうだなんてとうてい思えない。
もしかしたら現代でも応用すればちゃっかり成功できてしまうかもしれない。
なんて考えてしまう自分に笑ってしまう。


ポアロものの中でも評価が高い理由を充分に理解できた。
このトリックは忘れられないだろう。
トリックだけでなく、あれだけの登場人物を見事に書ききった演出もお見事。
ポアロファンでなくとも楽しめる作品だろう。



葬儀を終えて (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
ミス・マープル 寄宿舎の殺人 -アガサクリスティの 葬儀を終えて [DVD]
名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 2

category: ミステリー(洋)感想

thread: 読書感想文 - janre: 小説・文学

cm 0   tb 1   page top

アガサ・クリスティー「雲をつかむ死」感想 



今日はアガサクリスティーの「雲をつかむ死」の感想を

タイトルの通り飛行機での殺人を描く
密室というか密閉空間というか
物語の舞台はずっと飛行機になると思っていたがそうでもなかった
まずは簡単なあらすじからどうぞ

スチュワードが声をかけてみると、その女性客は死んでいた
女性の首には針が刺さったような痕跡が
そして、死体の足元で見つかった針とポアロの座席から発見された吹き矢
犯人は乗客に見られず、どうやって吹き矢を使ったのか?
死が発覚する前、機内を飛び回っていた蜂との関連性は?
どう考えても不可能な犯罪を、ポアロが解く


あらすじの通り、どうやって殺したのかがこの物語の焦点となってくる
誰も目撃はしていないが、毒を塗った吹き矢で殺したとしか思えない状況
これを解くことが出来れば物語の解明に近くなるだろう

吹き矢を使ったトリックだというのも面白い
ミステリの中でも最もへんてこな凶器ともいえる
作中の人物もあきれ顔で
「こんな殺人、いかにも、へぼ作家が考え付きそうな、ばかばかしい手口だ!」
と怒っていたときは思わず笑ってしまった
アガサのジョークはなかなか笑える


そんなこともあって、私はすぐに物語に引き込まれた
作中の人物は皆魅力的とまではいかないが、最低限のキャラは立っている
前作、「三幕の殺人」はキャラが薄いと私はここで非難したが、今作は全くそんなことはなく安心した
さらに、私個人として喜んだことはポアロが凄く活躍することだ

とにかくよく動く
聞き込みはもちろん、イギリスとフランスの間を往復して事件の解決に全力をあげる
一見意味不明の言動でも実は意味があるポアロ節は健在
その言動の意味が分かった時はおもわず唸る



肝心のトリックは…
「うーん」と少し首をかしげてしまう
また大胆なトリックだが、ちょっとリアリティが無いかなと
もちろん大胆不敵なトリックは大好物だが、説得力に欠けるため少し納得のいかない部分が多い
しかし作品全体としての完成度は高く、ポアロと共に推理している気分になれた

次作、「ABC殺人事件」の陰に隠れてしまった作品だろう
タイミングが良ければもっと有名になれたはずだ


ここからはネタバレ感想
注意願います


いきなりトリックに言及しますのでご注意を



「吹き矢」はミスリードだということは、ミステリファンならすぐにピンときただろう
私も「吹き矢」は完全に目くらましで、本命は他にあると考えながら読んでいた
ポアロが所持品一覧を見て「犯人を示す手がかりは全てある」と言ったときは少し焦ったものだ
何度も読み返したが私は全く分からなかった

「蜂」の方もミスリードだろうと全く無視していた
今考えればこっちが本命だったということもあるわけで、ちょっと反省


中盤くらいまで読んで、やはり誰にも殺す機会は無いと考え、犯人はスチュワードだろうと私は推理した
被害者を前から知っていた描写があるし、多くの国の人と会う仕事なのだから、毒は誰かから貰える機会くらいはある
第一、機内を動き回って怪しまれないのはスチュワードだけだ
と、確信していたのだがそんなことはなかった



結局、犯人はスチュワードに変装して被害者を殺したということだった
スチュワードに目をつけたのは悪くなかった よかった
全く変装だということは考えていなかった
しっかり証拠は提示されているのに気付かなかった私が馬鹿だった

しかし、もっと高度なトリックを期待していた私は少しがっかりしてしまった
まぁ、自由に動け回れるスチュワードが犯人でした では面白くないだろうし、これが今回の事件の精一杯なのだろう
文句を言ってごめんなさい


総合評価は良作
読んでる最中に頭痛さえ発症しなければもっと物語に入り込むことが出来たのに
悔やまれる




雲をつかむ死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル Vol.7 雲をつかむ死 [DVD]
名探偵ポワロ[完全版]Vol.18 [DVD]

category: ミステリー(洋)感想

thread: 読書感想文 - janre: 小説・文学

cm 0   tb 0   page top

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

注目の作品

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。