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読んだらけ

漫画に小説、読んだものの感想を書いていきます

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島田荘司「異邦の騎士」感想 



今日は島田荘司作、「異邦の騎士」の感想を書いていきます
御手洗潔シリーズ第三作目で、御手洗最初の事件を描く。シリーズ最高傑作と推すファンも多い。

簡単なあらすじを紹介
過去の記憶を完全に失ってしまい、呆然とする男
しかし、ひょんなことから出会った女と共同で生活をすることになる
愛する女も持ち、新しい幸せな人生をスタートさせた男
占星術師、御手洗潔とも友人となり満足な生活を送っていた
だが、自分の過去のことが明らかになる度に、幸せな生活は不穏なものへと変わっていくのであった…


記憶を失った男がさまよい歩く場面から話は始まる
彷徨い、悩む男の姿は滑稽だが、同時に恐怖心や探究心も抱く
「普通の人が記憶喪失になるはずがない、なにか謎があるはずだ」と勘ぐってしまう
つかみはバッチリで、私はグイグイ物語に引き込まれていった

同棲する女との掛け合いはメロドラマ的で、こういうものが好きな人はにやけてしまうかもしれない
我らが主人公、御手洗潔は魅力に満ちており、これほど見てるだけで面白い男がいるのかと思ってしまう
だが、肝心のストーリーにはあまり絡んでこない
最後の最後の謎解きの場面で活躍するくらいだ
また、御手洗が謎を解くために奮闘する姿が省かれ気味なのも残念でならない


男の過去が明らかになっていくのは怒涛の展開で、息つく暇すら与えてくれない
その過程で少々冗長になる場面もあるのだが、私は逆に男に感情移入をしていった

そして、御手洗が謎を説明する場面で物語の面白さはピークに達する
「そんなバカな!」と思わず声にしてしまうだろう
御手洗ほどの天才はいないのではないのかとさえ思えてしまう

最後のシーンは少々感動
こういうのに弱い人は泣いてしまうかもしれない
ミステリー作品でこんな場面に出くわすとは思わなかった


また、この作品は謎という謎はほとんど出てこないため、サスペンス作品と勘違いしてしまう
事実、私も「記憶喪失の男のドキュメンタリー」という感覚で読んでおり、まったく推理していなかった
しかし、読み終えた今なら言える
これは完全なミステリー
未読の方には、是非ともなぞ解きを楽しんでいただきたい
純粋に物語を楽しんでいるだけだった私は悔やんでばかりだ
つい先日、「殺戮にいたる病」でも同じ後悔をしたはずなのに
ちくしょう

総じて、非常に面白い作品だったということは感じていただけただろう
私はまだ島田作品は「占星術」「斜め屋敷」しか読んでいないが、これらに劣らぬ出来だったと思う
シリーズナンバーワンに推す人も多いはずだ
御手洗シリーズの中でも重要な位置にある作品なので、未読の方は是非とも手にとってみてはいかがだろうか



ここからはネタバレ感想です
注意願います


さて、物語の重要な部分に触れていきますので、未読の方は帰宅を


この作品は石岡君と御手洗の出会いの物語だった
読み始めた時から、私は記憶喪失の男を石岡君ではないかと疑っていたが、別名の免許証がでてきたりしたので完全に別人だと思い込んでいた
本名が「石岡」と判明したときは安堵したものだ

「占星術」で語っていた、御手洗と出会うきっかけとなったちょっとした事件とはこのことだったのか
全くちょっとした事件では無いけれども
トリックの大胆さと異様度は「斜め屋敷」とどっこいだ
よくもまぁこんなトリックを考えて実行に移したかと感心する

この作品で唯一気に入らないのが、免許証をすり替えたこと
鏡恐怖症だから気付かないだろうとすり替えるのは如何なものか
知らないところで免許証を使われたらどうするつもりだったんだろう
免許証が見つかって御手洗のところにすぐに持っていっていたら事件の解決はもっと速かったはず


また、「占星術」執筆以前の物語というから凄い
たいてい、こういったものは後付けがかなりされて「最初の事件」と謳われるものだから
純粋に「最初の事件」で「最初の作品」となっているものは少ないのではないか
あとがきでも語っている通り、デビュー時のインパクトを考えて「占星術」を先に発表したようだ
それからこの作品は忘れ去られ、ネタに詰まった際に急きょ少し修正して発表したものらしい
こんな逸話がありながらも、作品の完成度は高く、デビュー作にしなかったのも不思議なくらいだ


前述のとおり、全く推理していなかったのでここに書くような自分の考えを持ち合わせていない
石岡君と同じく、あの日記を読んだときは憤りと絶望を感じたものだ
まさか偽物だったなんて
兄貴は凄い人ですな
御手洗にも認められているし、ボスとしての貫禄を持ち合わせているのだろう


ああ、面白かった
また御手洗作品を体験したい



異邦の騎士 改訂完全版
占星術殺人事件 (講談社文庫)
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)

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